スイス・アルプスの氷河が3年間で12%以上も失われたことが先ほど発表された最新の調査でわかりました。JNNは調査に同行し、消えゆく氷河の実状を取材しました。
スイス・アルプス。モルテラッチ氷河は、イタリアとの国境にあるグラウビュンデン州最大の氷河です。先月、JNN取材班は氷河の観測を続けるスイス科学アカデミーの調査に同行しました。
観測地点に向かうため氷河を登っていると、ひっきりなしに落石による轟音が響き渡ります。
スイス科学アカデミー 氷河研究専門 マティアス・フス氏
「常に聞こえています。氷が解けて、絶えず岩が崩れ落ちているんです」
深いところで40メートルほどあるという氷河の割れ目・クレバスを避けながら観測地点に到着しました。
1年間でどれほどの氷河が解けたのか。
スイス科学アカデミー 氷河研究専門 マティアス・フス氏
「去年10月から、6メートル50センチの高さの氷河が解けています」
スイス科学アカデミーは20の氷河を数百地点で計測。先ほど公表した報告書によりますと、氷河全体の体積はこの1年間で2.5%縮小していて、3年前に比べて12.2%小さくなったことがわかりました。
記録的な暑さで、この夏は1914年の観測開始以来、最も多くの氷が解けていました。
氷河にはいたるところで小さな穴が開き、水が流れています。
記者
「こちらは氷河の先端にあたる部分ですね。そして、大きな穴ができて川が流れていますが、これは去年までは見られなかったものだということです」
解けた水が集まり、大きなトンネルができていました。そこからは氷の塊がごろごろと流れ出ています。
記者
「こちら2015年と書かれていますが、わずか10年ほど前までは、ここまで氷河があったということなんですね。今となっては山肌がむき出しになっています」
わずか10年足らずで、かなり遠くまで後退したことがわかります。
氷河が急速に解けている事実を如実に物語る事象もあります。おととしには、およそ50年前に墜落し、行方がわからなくなっていた小型飛行機が見つかりました。氷河が解けることで、行方不明者の遺体の発見も増えているといいます。
スイス科学アカデミー 氷河研究専門 マティアス・フス氏
「氷河は気候変動問題の広告塔です」
消えゆくアルプスの氷河。歯止めのきかない地球温暖化を雄弁に語っています。
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