電線にぶらさがるトタン屋根、そして、道をふさいでしまった車庫に逆流する川。
6日、山陰に最接近した台風11号。暴風が各地に爪痕を残しました。
記者 入江直樹
「午前6時の益田市です。3時くらいから風が強くなり、時々体が持っていかれそうです。改装中の店のシートがめくれあがっています」

6日の昼前に山陰に最接近した台風11号。
島根県内では最大瞬間風速が、隠岐空港で35メートルを観測したほか、浜田市弥栄、雲南市掛合、大田で、9月の観測史上最大を記録しました。
住民
「水はこのへんまで上がってきた。家の玄関、このくらい」
また、浜田市では、高潮の影響で民家近くまで海水が迫りました。
浜田市松原町にある水路。
水が逆流し橋げたに激しく打ち付けていました。

また、視聴者が撮影した浜田市の下府川の映像には、川の水が勢いよく逆流している様子がうつし出されています。
撮影者は「ここまで波をたてて逆流しているのは初めて見た」と話しています。
そして、松江市では…。
記者 木谷茂樹
「あちらご覧ください。宍道湖の波が護岸を乗り上げて道路にあがって来ています。通行する車にもそのしぶきがかかっているのが確認できます」

国道431号では、強風に乗った宍道湖の波が激しく道路に打ちつけていました。
さらに…。
記者 木谷茂樹
「JR乃木駅付近です。あちらご覧ください。店舗のトタン屋根が飛ばされて電線に引っかかっています。今も風でトタン屋根が揺れているのが確認できます」
強風にあおられながら電線に引っかかった巨大なトタン屋根。
2次被害を避けるため、消防隊員がロープを使い、なんとかつなぎとめていました。
この影響で、現場付近は一時全面通行止めとなりました。

強風は鳥取県でも・・・。
記者 齊尾和之
「鳥取県智頭町です。こちらに建っていた車庫が強風で飛ばされ、その屋根が道路を挟んで、反対側の家の壁にぶつかってしまっています」
最大瞬間風速25メートルと、観測史上最大を記録した智頭町。
6日午前9時すぎ、町内の住宅街で強風で車庫が飛ばされ、町道をふさいでいるのを付近の住民が発見しました。

第一発見者
「もう、いままでに経験したことが
ないくらいのすごく強い風で、家の倉庫からここが見えるんですけれど、トタンが見えて、あれ?おかしいなと思って外に出たらこの状態で」
鳥取県内ではそのほか、最大瞬間風速が倉吉と大山町塩津で、9月の観測史上最大を記録しました。
そして午後には急な雨も…。
記者 入江直樹
「正午の出雲市多伎町です。急に遠くが見えないような雨が降ってきて、風も強く、目を開けていられない状況です」

今回の台風では、島根県では人的被害の報告はありません。住宅では、
床下浸水が8棟となっています。(午後4時現在)
一方、鳥取県では、智頭町の70代の男性が強風のため屋外で転倒し、頭にけがをしました。建物の被害は、三朝町で住宅のトタン屋根がめくれたり、智頭町で車庫が倒れるなど3棟となっています。(午後5時現在)