「ちゃんと『仕事ください』と言う訓練をすることがスキルアップかな」

藤森キャスター:
一方で仕事の振り方も大事なのかなという気も痛感します。

トラウデン直美さん:
やりたいのにできることがない…みたいなのは、モヤっとするでしょうね。会社側にとっても、せっかくやる気のある人がいるんだからもったいないと思うので、コミュニケーションってすごく大事だなと。「やりたいけど、どうしたらいいかわからないので言ってください」とか。

逆に「どんなことがやりたいの?」「自分の時間が大事なの?」とかそういうコミュニケーションはすごく大事だと思います。

一方で自分の時間を大事に思う人もいると思うので、ゆるいなと思ってそこで頑張る必要性を感じてないんだったら、自分のスキルアップに(時間を)使って次を見据えるのも一つの手なのかなとも思います。

小川キャスター:
企業側としてはブラックにならないように良かれと思ってゆるくしているというか、ホワイトにしているというところがあるわけですよね。

日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
そうだといいんですけどね。実は上の人たちは忙しすぎて教えている余裕がなく、放置している。だとすると、決していいことではない。

ただ、本当に毎日チャレンジしたいのであれば、自分で会社を始める方が面白いですよね。と言っても、全員がそんな起業するみたいな社会っておかしいって。全員がやりがいのためだけに働くってどうなんでしょう。お金を稼いで楽しく暮らすために働くという人の方が多くないと、逆に社会はおかしくなるような気がします。

藤森キャスター:
同じチームで働いている中で、ゆるブラックチームだなんて思われたくないから、ちょっと大変そうな仕事を「俺やっとくからいいよ」と上司が言うとか。やりがいがある、ほどよい負荷の仕事をふるのは難しい。

トラウデン直美さん:
わからないのに「わからない」と言えなくて「できます」って言うみたいなところもありますし…どうしたらいいんでしょう。

日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
やっぱりコミュニケーションですかね。日本人がお互いにこうしたいんだけど、今嫌なんだけど、つらいんだけどってことを言わずに上司も部下も我慢して、全体として生産性が上がらないっていう。

40年前の新入社員の頃と変わらないことをみんな言ってて、ちょっとさっきニヤニヤしてました。日本は進歩してないぞって。

小川キャスター:
かつてのような終身雇用が今、崩れてきているという中で、なるべく早くスキルアップしないと次がないと焦る若い人たちの気持ちも理解した上で…。

日本総研主席研究員 藻谷浩介さん:
スキルアップっていうのは、そういうときにちゃんと「仕事ください」と言う訓練をすることがスキルアップなのかな。

小川キャスター:
そのやり取りも大事にしていかなければならないと。