新500円玉の登場(1)

もちろん政府も黙ってはいられません。2000年に登場した新500円玉は、まず材質をニッケル黄銅に変更しました。そして外周のいわゆる「ギザ」を斜め切り込みとして、181本入れるなどの大改造を施しました。この斜めギザは世界でも大変珍しく、偽造が困難だとされました。

初代の500円玉にはこうして文字が刻んでありました。斜めギザが刻まれたのが2000年です。

これら官民の新技術導入の結果、500円玉偽造は一気に少なくなっていったのです。

新500円玉の登場(2)

現在の500円玉は2021年デビュー。

よく見れば分かるとおり、複数の金属が使われています。しかし、単にはめ込んだだけではありません。まずは2種類の金属板をサンドイッチ状に挟み込む「クラッド技術」で円盤を作ります。その円盤を、別の種類の金属でできたリングの中に「バイカラー技術」ではめ込みます。「バイカラー・クラッド」と呼ばれる匠の技術なのです。

ただのはめ込み硬貨ではありません。(財務省「解説!新しい500円貨」より)

それ以外にも、異形斜めギザ、上下別潜像、微細文字など、技術の粋を尽くした偽造防止処理が施されていて、現代の500円玉は、犯罪者が「こんなものの偽造は難しすぎて割に合わない」と思うレベルになっています。

手もとにある500円玉を見て確かめてみるのも一興でしょう。(財務省「解説!新しい500円貨」より)

なお現在も、先代、先々代の500円貨幣は、普通に流通します。「古い500円貨幣が使えなくなる」などという詐欺行為(振り込め詐欺など)にはくれぐれもご注意ください。