災害時の避難所運営にデジタル技術を導入した際の効果を検証する実証実験が18日、岩手県久慈市の避難所に指定されている施設で行われました。

この実証実験は、大雨や地震などの災害時に避難所運営を円滑に進めるのにデジタル技術か有効かどうかを確認するため岩手県が初めて行ったものです。
実験には地域の人たちも参加し、避難所の受け付けを紙を使ったアナログ式とSNSのLINEを使ったデジタル式の2通りで行い、それぞれにかかった時間を測りました。

アナログ式では氏名や住所などの個人情報を手書きで記入していきます。
一方のデジタル式では県の公式LINEアカウントを活用して、事前にマイナンバーなどの個人情報を登録しておくことで、QRコードで受け付けができます。
参加した34人の受け付けにかかった時間は、アナログ式が2時間43分34秒、デジタル式が7分24秒で、事前の登録さえあればデジタルは20分の1以下の時間で受け付けが済むことがわかりました。

(住民)
「スマホはわかればかなり楽。書くよりは。(避難所は)混雑すると思いますから、こういった研修会がたくさんあればいい」
(岩手県復興危機管理室 田澤清孝 総括危機管理監)
「思った以上にスピーディにできたのでは。取り組みをさらに進めて災害対応力の強化につなげていければ。避難所運営へのデジタル技術の活用の有効性は示されたものの、事前登録がどの程度進むかかは未知数で本格導入には課題もあります」
県は2024年11月に遠野市でも実験を行う予定で、2025年以降の本格導入を目指すとしています。