北海道の知床半島沖で2022年4月、観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した事故で、海上保安庁は運航会社の桂田精一社長を18日午前、業務上過失致死などの容疑で逮捕しました。

18日午前11時20分ごろ、観光船「KAZUⅠ」を運航していた「知床遊覧船」社長の桂田精一容疑者61歳が、網走海上保安署に入りました。

捜査関係者によりますと、海上保安庁は、桂田精一容疑者を業務上過失致死などの容疑で、18日朝、逮捕しました。

この事故は、2022年4月、知床半島沖で乗客と乗員あわせて26人が乗った観光船「KAZUⅠ」が沈没し、乗客乗員20人が死亡、6人が行方不明となったものです。

桂田精一社長(2023年4月)

 国の運輸安全委員会は、沈没の原因は確実に閉まっていなかった甲板のハッチから海水が流入したためとしています。

閉まっていなかったハッチから海水が流入

 第1管区海上保安本部は、桂田容疑者が運航に必要な注意を怠るなどして事故を起こしたとみて捜査しています。

網走海上保安署(17日午前)

 この事故をめぐっては、今年7月、乗客14人の家族など29人は運航会社「知床遊覧船」と桂田精一社長に対し、慰謝料など合わせて15億円の賠償を求め札幌地裁に提訴しています。【この記事の画像を見る】

 逮捕を受けて、被害者弁護団は、「桂田氏の刑事責任を明らかにする上での大きな一歩になると考えています」とコメントしています。