長崎県の「被爆体験者」について、長崎地裁は9日、原告44人のうち15人のみを被爆者と認める判決を言い渡しました。原告団長は、「分断された」と憤りの声をあげています。

「被爆体験者」の一部を「被爆者」と認定も…原告は「分断された」

判決後、裁判所の前で掲げられた「一部勝訴」の文字。

被爆爆体験者訴訟 原告団長 岩永千代子さん(88)
「正直言ってね、落胆ですね」

被爆者ではなく「被爆体験者」の岩永さん。長崎に原爆が投下された際、国が定める被爆地域の外にいたため被爆者と認められていません。

「私たちは被爆者ではないのか」。長崎県と長崎市を相手に、被爆者としての認定を求め提訴していました。

長崎地裁は9日、44人の原告のうち東長崎地区で原爆にあった15人について、被爆者健康手帳の交付を命じる一方、それ以外の原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。

岩永さんは、被爆者と認められませんでした。

被爆体験者訴訟 原告団長 岩永千代子さん(88)
「分断されたということですね。これについて本当に意味不明ですよね」

原告44人の明暗を分けたのは、当時降った「雨」と「灰」でした。

長崎地裁は、東長崎地区について、市などが行った「証言調査」で黒い雨に関する記述が多くみられることなどから、「放射性降下物が降下した相当程度の蓋然性を認めることができる」としています。

しかし、それ以外の地域で降った灰については、放射性物質と認めませんでした。

8月、岸田総理は被爆体験者と面会した際、「合理的に解決できるよう指示をする」と発言。判決が被爆者の認定基準の見直しにつながるか注目されていました。

被爆体験者訴訟 原告団長 岩永千代子さん(88)
「岸田総理が合理的な解決とおっしゃったので、ある意味では信じていますけど、 裁判の結果が合理的だとおっしゃるなら、『うーん…』と思いますけどね。期待半分、不安半分。岸田さんに対してね」