中央大学のフェンシング部に所属していた男子部員が自殺したのは上級生のパワーハラスメントが原因として、青森県むつ市に住む遺族が大学などを相手取り損害賠償を求めた裁判の「第一回口頭弁論」が開かれ、被告側は請求の棄却を求めました。

亡くなった男子部員が書いたノートの文言(遺族提供)
「『いや』ではなく『いえ』」
「『自分』という」
「先輩に嫌な顔、言い訳をしない」…

「懲罰」としてノート1冊、60ページにびっしりと部内のルールを書いたという中央大学フェンシング部の男子部員が自ら命を絶ちました。

子どもが亡くなった責任は誰にあるのかを知りたいとして、むつ市に住む遺族が大学などを相手取り訴えを起こしました。

訴えによりますと亡くなった男子部員は2022年6月、上級生から門限を過ぎたことなどを叱られ、部のルールをノート1冊分に書き写すよう指示されました。

その後、ノートを提出しましたが上級生から1ページが破れていることを指摘され、パニックになり自殺しました。

遺族は上級生3人の行為はパワハラに当たり違法とし、大学も安全配慮義務に違反しているとして合わせて5000万円の損害賠償を求めています。

6日は「第一回口頭弁論」が開かれ、被告側は原告の請求棄却を求めました。

被告側の答弁書によりますと、上級生が男子部員に出した指示に大学は安全配慮義務があったかという点などについて争う姿勢を示しています。

次の裁判は10月18日に開かれます。