滑川市の60代の女性が警察官をかたる男らに5380万円をだまし取られた詐欺事件、女性はなぜだまされてしまったのか。その巧妙な手口を取材しました。

マツシタと名乗る男:
「あなたはランサムウェアを感染させた容疑者だ」

事件は滑川市に住む60代の女性にかかってきた1本の電話でした。電話の主はセキュリティ関連団体の「マツシタ」と名乗る男。突如、身に覚えのない内容を告げられた女性の自宅に、続けて、今度は警視庁の「アオヤマ」と名乗る男から電話が…。

アオヤマと名乗る男:
「あなたはランサムウェアを感染させた容疑者になっています」

60代女性:
「そんなのわかりません」

アオヤマ:
「わからないなんて嘘を言うと警察署に任意同行されますよ」

警察を名乗る男からの電話に女性の不安は一気に募ったといいます。すると再び…。

マツシタ:
「90人の被害者のうち3人が弁護士を立て、そのうち1人が示談金として300万円を要求している。旅行代理店も被害にあっていて、示談金として5000万円を要求している」

女性は指示に従い金融機関のATMから現金を送金。その後も30万円から200万円を複数回にわけて送金し、合計5380万円をだまし取られました。

記者:
「ATMの前にはこのように被害を防止するためのチラシ、そして入り口のほうにはこちら看板が用意されていますが特殊詐欺の手口は巧妙化しています」

銀行を訪れた人:
「どうして気づかれんかったんかと思う。途中でね。これだけ騒いでるのに。(私も)スマホには知らないところから電話きてひっかかりそうになりましたけど。(料金を)滞納されてるから、いついつまで振り込んでくださいって」

富山県警組織犯罪対策課 石丸英也さん:
「ATMに行ってほしいとかトラブルに巻き込まれて裁判沙汰になっているといった電話やメールがあった場合は、これすべて詐欺の手口ですので、絶対に対応することなく、まずは家族とか親しい方に相談していただくとともに警察のほうにも相談していただきたいと思います」