119番の通報者が、スマートフォンを通じて消防と映像をやりとりできるシステムの運用が福岡市などで始まりました。事故や火事の状況を映像で知らせることで応急手当や初期消火にも効果が期待されています。


◆言葉では伝えにくいこともライブ映像で
福岡都市圏からの119番通報を受ける災害救急指令センターが導入したのは、通報者と消防がリアルタイムで映像をやりとりできる「Live119映像通報システム」です。

消防職員の実演「真上から真下に強く押すように指示してください。弟さんひじが曲がっているから伸ばすように伝えてください」

1日のデモンストレーションでは、救急で119番した人がスマホからライブ映像を送り、それを基に司令センターが応急手当を指示しました。


◆消防からURLがスマホに届く
まず通報者のスマートフォンのショートメッセージに、消防からURLが届きます。アクセスすると映像を送るための専用サイトにつながり、現場から生中継できるようになります。

また、応急処置が必要な場合は、消防側から通報者に心臓マッサージなどの動画を送ることもできます。(消防側からのライブ映像の送信には非対応)


◆九州で初導入、初期消火の迅速化はかる
運用は1日から福岡市とその周辺の14市町で始まりました。九州では初めての導入です。

現場の状況を映像で伝えられるため、火事が起きた際の初期消火などにも効果が期待されています。消防は月に10回ほどのシステム活用を目指していて、通報者には「身の安全を確保したうえで、映像の送信に協力してほしい」と呼びかけています。