31日で夏休みも終わり。長崎県内多くの学校で明日9月1日から2学期が始まります。長い休みが終わり学校生活が再開しますが、気になるデータがあります。


18歳以下の日別の自殺者の数です。9月1日が突出して多いことが分かります。

この日に起こる子供たちの心の変化とは?
そして悲劇を起こさないためにはどうしたらよいのか、家族のカウンセリングや、児童の心のケアをしている精神科医に聞きました。


長崎こども・女性・障害者支援センター 加来 洋一 所長(精神科医):
「学期が変わるっていうことは、”現実に直面する” ということですよね。
そこで見たものが『安心できるもの』ならいいけれど、”予想と違ったり” ”何これ?” だったり、始まった直後に ”引き戻れない” としたら逃げ道は少ないですよね。


『(新学期になって)学校を休んだら 将来がなくなった』かのようにとる児童もいる。『もうおしまいだ、元のレールに戻れない』という子供って、選択肢が少ないんですよね。”学校か家か”っていう」

なぜ自殺という悲劇を選んでしてしまうのでしょうか──

加来さんは様々な要素が複合しているといいます。

加来 所長:
「自殺に至るまでの生活環境、学校、友人関係、最近だとSNSも含まれます」


厚生労働省の統計によると、小学生の男女の自殺の理由は──
・家族からの叱責
・親子関係の不和
・友人との不和
・いじめなど様々です。

どうすれば子供たちが出すサインに気づくことができるのでしょうか──

加来 所長:
「大人に比べたら分かりにくいです。『元気がなくなる』とか『笑顔がなくなる』とか『集中力が落ちる』とか、そういうところから拾えることもありますが、必ずしもサインが見つかるとは限らないと思います」

子供たちの変化を見つけるのは簡単ではありません。加来所長は『子供を理解し尊重することが大事』だといいます。


加来 所長:
「子供がとった選択に対して、まずは理解するようにする。必要だったら応援する。”最後まであなたの味方”っていうことが大切」

自殺を考えるほど悩んでいるのであれば『誰かに相談をして欲しい』

加来 所長:
「孤独は追い詰めるものなので、『自分は孤独じゃないかもしれない』相手が見知らぬ人でも『聞いてくれる人がいるかもしれない』──それが繋がりになって、自殺を思いとどまって欲しいと思います」


自殺について長崎県では無料の相談窓口を設置しています。
24時間 子供SOSダイヤルは24時間 毎日相談に対応しています。
電話番号は0120ー078310です。

LINEでの窓口も用意されています。
こころとこころのほっとライン@ながさきでも相談することができます。