昭和20年代のヒット曲「かりそめの恋」や「東京悲歌(とうきょうえれじー)」などで知られる、歌手・三條町子(さんじょう・まちこ)さん(本名:藤田信子)が、8月30日午後5時5分、老衰のため神奈川県大和市の自宅にて亡くなったことが、日本歌手協会から発表されました。97歳でした。葬儀告別式は、家族葬で行われるということです。
三條町子さん

【 三條町子さん プロフィール 日本歌手協会発表文より引用・抜粋 】

三條さんは大正14(1925)年1月10日、青森県八戸市に生まれ、戦後、作曲家の大村能章氏の門下となり昭和23(1948)年、旧姓の本名、宮野信子の名前でキングレコードから「泪のブルース」でデビュー。翌年、三條町子の芸名で歌った「かりそめの恋」を発売、アンニュイな歌唱法が敗戦後の巷に流れ、流行語にもなった〽夜の銀座は七色ネオン…の歌詞が、復興する日本を表現し大ヒットしました。

昭和26(1951)年には映画主題歌にもなった「東京悲歌」(第2回、4回紅白歌合戦出場曲)、さらに「私は銀座リル」「恋の火の鳥」などヒット曲を連発しましたが、昭和29(1954)年の人気絶頂期にレコード会社のディレクターと結婚し、翌年出産のために歌手を引退しました。三條の新曲として用意されていたのが「ここに幸あり」で、これはレコード会社の後輩、大津美子が歌うことで大津の代表曲になりました。
三條町子さん

昭和40年代に入ってからの“なつメロブーム”で、三条町子の名で番組などに復活。変わらぬ歌声で後年まで「思い出のメロディー」「歌謡コンサート」(NHK)などに出演、最後のテレビ出演は2016年正月放送の「第42回日本歌手協会歌謡祭」でした。本年11月8日、9日に開催される「第49回歌謡祭」では後輩歌手が、三條さんの「かりそめの恋」を歌うことを検討しています。

Ⓒキングレコード


【担当:芸能情報ステーション】