沖縄戦研究者で元沖縄国際大学教授の吉浜忍さんの告別式が28日午後那覇市で営まれ、多くの関係者が別れを惜しみました。

吉浜忍さんは高校の教諭を経て沖縄国際大学に勤め、日本の大学で初めて「沖縄戦」の科目をつくるなど戦争体験の継承や平和教育の大切さを伝え近年は若い研究者の育成にも尽力しました。

生前の吉浜忍さん



28日午後、那覇市で告別式が営まれ教え子や沖縄戦研究者など関係者らが参列しました。

▽知念高校時代の教え子
「若くて、先生というよりお兄さんという形で皆から慕われていた先生だった」

▽ひめゆり平和祈念資料館 普天間朝佳 館長
「抑止力や防衛力強化と、軍事化が進むが今だからこそ沖縄戦の歴史と教育に向き合わないといけない。その時に吉浜先生の(研究の)蓄積というのは大きな基盤になるし、大きな力になっていくのではないかと思います」

▽沖縄戦若手研究会 秋山道宏 沖国大准教授
「研究会のような場を作り育ててきてくれたので、それをどう引き継いていくか。作ってきた文化をさらにより良いものにしていくのか。特に来年は戦後80年を迎えるのでそういったなかで、さらに求められると思う」

▽元南風原文化センター館長 大城和喜さん
「リーダーであり、北極星。自分たちは小さな周りの星で、その星が消えてしまったということなので、一時は困るかもしれないが、彼は若い人を育てたので、きっとあちこちで小さな星が輝くと思います。『だから安心してください』と言いました」

告別式会場(28日)


会場には吉浜さんが携わった沖縄戦に関する文献や生前の写真が展示され参列者はその功績を偲びながら別れを惜しんでいました。