東京都内などを中心に路上ライブを続ける15歳のシンガーソングライターが静岡県沼津市にいます。無意識のうちにとらわれてしまう「常識」に疑問を抱き、歌に思いを乗せる15歳、活動を支える母親の思いに迫りました。
オリジナル曲「ばかやろう」
東京・新宿駅前。大勢の人が行きかう中で力強く歌う、平田心愛さん15歳。
<ファン(20代)>
「渋谷で初めて路上ライブを聞いて妹に誘われてきました」
<ファン(10代)>
「その選択をした心愛ちゃんは自分を信じていてすごいなと」
静岡県沼津市で生まれ、4年生から歌を始めた心愛さん。中学校卒業を前に大きな決断をしました。
<平田心愛さん>
「私は中学校を卒業したら、高校には進学せずシンガーソングライターとして活動していくことを決めました」
音楽の道一本で生きていく選択をした心愛さんですが、肯定的な声ばかりではありませんでした。
「高校は出た方がいいと思います」
「高校卒業必要だと思います 学歴必要ですよ」
心愛さんのSNSに寄せられたコメントです。
<伊部記者>
「心愛ちゃんは(コメントを)読んだ?」
<平田心愛さん>
「読んでますねちゃんと。もしかしたら自分が学校に行っていたら『学校行った方がいいよ』って人に言うかもしれないじゃないですか。全部一理ある、それだけですね、一人ひとりの生き方があるだけ」
15歳の決意を後押ししたのは母、そしてマネージャーでもある知美さんの存在です。
<心愛さんの母 平田知美さん>
「もう娘って思っていないから本当に親友・パートナーみたいな気持ちだから、お互いに全部相談するし全部頼るしみたいな関係性」
知美さんにも学校に行くのが「当たり前」と考えていた時期がありました。
<心愛さんの母 平田知美さん>
「最初は結構悩んで、なんでこうみんなが行くように学校生活楽しめないんだろうなとか。もう行きなさいって泣いても行きなさいって何度も家から追い出そうとしたこともあるし」
「当たり前に」学校に通い、「普通の」青春を送ってほしいー
知美さんの焦りは、娘のある問いかけで変わります。
<心愛さんの母 平田知美さん>
「もしママが私の親友だったら同じことを言うのかっていうふうに小学生のときに言われたときがあって、私ちょっと1日考えて、私が親友だったら別に無理しなくてもいいじゃんって多分言ったと思うし、行きたくなかったら休めばいいじゃんって言ったと思う」
そのときを境に「常識」にとらわれず、「娘」と「一人の人間」として向き合おうと決めたといいます。
心愛さんが路上ライブで毎回といっていいほど歌うオリジナル曲があります。
<平田心愛さん>
「普通こうするでしょとかこうするのが一般常識みたいなのがあると思うんですけど、そういうのがすごく苦手で自分の道は自分で決めればいいと思うし社会というかこの世界への反抗心みたいなのをありのままに曲にしたものです」
♪「無名15」
学校に行くと幸せになれて勉強すれば将来安泰
それは世間の常識であって該当しない自分がいる
<平田心愛さん>
「今考えると、本当にママのおかげだなって思ってて、心愛が音楽も真剣にやりたいけど、学校(高校)行っといたほうがいいのかなみたいに言ってたときに、『行かないっていう選択肢もあるんじゃない?』ってママがその選択肢をくれて。その選択肢なかったわと思って、それを聞いたときにああそうしようって心愛もそこで納得して、そこから心愛は高校に行かないですって先生に言いました。みんな高校行って楽しそうだけど、自分も音楽活動してて楽しいし、なんか充実した毎日送ってるから、自分は自分の道だから全然いいかなって思って」
当たり前って何?
言葉一つ一つに命を込め迷った時は信じる方へ僕の詩は僕のもんだ当たり前って何?
そんなもん誰にも決められやしない僕の運命は僕のもんだ何を悩んでんの?迷ってたって無駄なんだもう気づいたでしょ?
僕は生きてるだけでそう幸せなんだって幸せなんだって