◆問題はどのリスクに対する保障か極めてあいまいな点
実際に、日本生命では不正請求が疑われるケースが確認されています。手口は、すでに新型コロナに感染しているのにその事実を伝えず、高額の保険に加入しすぐに請求を行うというものです。

そのため、入院給付金の上限を40万円から30万円に引き下げ、当面の間は新しい客からの自発的な申し込みの受け付けを停止する異例の対応を決めました。
植村教授「保険をなりたたせるためには必要な話で、そもそもリスクが高いかつリスクが高い行動をしそうな人がたくさん入ると普通の人は保険料を払うだけで受け取るのはリスクの高い人になる。加入者の公平性が維持できなくなる。新型コロナは国が医療費をだしてくれるから医療費はかからないが、陽性になったら保険会社は給付金を支払う。どのリスクに対して保障をしているのか極めてあいまいな保険だと分かってしまったので、どうするのかが保険業界の課題だと思います」
植村教授はこの保険会社の決断を通して、業界全体が医療保険商品の内容を見直すきっかけになればと話します。