きっかけは「ペロッとしてみたら」魔法の声かけ…

子どもたちを励まそうと思ってかけた何気ない先生の言葉が、こうたろうくんにとっては重圧になっていたのだろうと里奈さんは推測します。

教育者向けに給食指導の資料を無料で提供している『きゅうけん|月刊給食指導研修資料の編集長を務める山口健太さんは、食べられない子どもに対しては 、声かけにも工夫 が必要だと指摘します。つまり “魔法の声かけ” があるというのです。

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』​編集長
山口健太さん:「“一口食べてみたら?”みたいな感じで勧めることが多いと思いますが、一口食べてみたら?だと、一口食べる=もぐもぐして飲み込むというところまでやらないといけない。だから、その勧め方をもう少しハードルを低くしてあげる。苦手な食べものがあったときに、匂いをかぐだけだからやってみるかとか、ペロッとしてみたら?という声かけに変える。それくらいだったら咀嚼したり嚥下したりということをしなくても、自分の中で食べるかどうかっていうのを確認することができるので、一口食べてみたらというのを、ちょっとペロッとしてみたらっていう声掛けに変えるだけで、今までより食べるようになるっていう事例はありますね」

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』​編集長 山口健太さん