魚津市の片貝川上流に、樹齢数百年を優に超えるスギの古木が群生しています。パワースポットとして密かに人気のこの「洞杉(どうすぎ)」。これまではうっそうとした森を歩いて行かなければなりませんでしたが、ぐっと近くなりました。

記者:
「ここから洞杉までおよそ3キロ。きょうから車で通行できるようになりました」

魚津市の天然記念物「洞杉」まで続く市道南又線はこれまで、一般車両の通行制限がありましたが、地域住民からの熱い要望を受け、市は、19日から10月末まで試験的に制限を解除します。

早速、片貝川周辺をドライブすることに…。

魚津埋没林博物館の石須秀和館長に案内してもらいます。
魚津埋没林博物館 石須秀和 館長:「よろしくお願いします」

洞杉までの途中、一度車を停めて水の守り神として知られる『蛇石』を見に行きます。

記者:「蛇石はどれですか?」
魚津埋没林博物館 石須秀和 館長:
「この奥のほうに見える石なんですけど、白っぽい石の間に黒い岩脈が走っていて大蛇が巻きついたように見える石です」「蛇石は昔から水の神様としてお祭りされていて、昔々猟師が大蛇を鉄砲で撃ったところ、この岩に巻きついて息絶えて、その後ふもとの村を洪水が襲ったという伝説があります」

記者:「雨乞いの石みたいな感じですか?」
魚津埋没林博物館 石須秀和 館長:
「そうですね。干ばつのときは雨乞いに来ますし、大雨のときはそれがおさまるようにお祈りした」

蛇石からさらに上流を目指すこと車でおよそ5分。そこには巨大なスギの木が無数にそびえたっていました。

魚津埋没林博物館 石須秀和 館長:「こちらが1番大きいと言われている洞杉です」
記者:「大きいですね」

大きな岩を抱えるようにそびえたつ洞杉は、全国の単体スギのうち3番目の大きさ。幹は冬場の雪の重みで曲がり根、幹、枝が複雑に入り組んでいます。

魚津埋没林博物館 石須秀和 館長:
「普通、杉の木っていうとすくっと1本のまっすぐな幹が立っているイメージ(だが洞杉は複雑なかたち)。しかも岩の上に生えている。岩自体も山をつくっている岩盤ではなくて転がっている岩なんですね。そういう舞台装置と雪といろいろなものが重なって現在の洞杉があるということです」

古いもので樹齢1000年を超える洞杉。パワースポットと知られているだけあり、凄まじい生命力が感じられました。

魚津市未来戦略室 明石主計 室長:
「これまで自然環境保護を目的として通行自粛のお願いをしてきたのですけど、こういったすばらしい洞杉や蛇石を広く知ってもらいたいという気持ちがありました。こういったものを両立するために今回、試験的に開放いたしまして、今後どのようなあり方で共存できるか、探りながら進めていきたいと考えています」

気軽に行けるようになった片貝川周辺のパワースポット。魚津の新たな観光地として期待が高まります。