猫田の動きにも注目
二宮さんをはじめその他の役者さんも外科医の雰囲気を醸し出すのがすごくうまいのですが、猫田役の趣里さんも絶妙にできるオペナース(器械出しナース)を演じています。
渡海先生に器具を渡す順番を確認してから撮影に臨むのですが、左手にドベーキー、右手にメッツェンの後に、フェルト2枚渡して、4−0針糸を持針器で持って、右手に渡して、ガーゼを近くに置いて、その後4−0縫い終わったら受け取って、糸結びの時に手水(糸を滑りやすくして糸を結びやすくするため特に心臓外科ではよく水を手にかけてもらいます。大きなスポイトみたいなものでかけてもらいます)をかけて、また右手にメッツェンを渡して、糸切ったらメッツェンを受け取って……。で、1回確認すると完璧にできる。
器具を渡すタイミングとかも絶妙で、モニターで見ていて次メッツェンだけど、器械台の端に置いてあるけど大丈夫かな?と心配になるのですが、そのタイミングになると、スーッと手が伸びてメッツェンを取って渡海先生に渡す。できる器械出し看護師さんは、常に術野を見ているのですが、自然とそれができている。
さらに体温が35度前半くらいの冷静さを常時持っていて、術場を客観視できる。時には点滴であったり人工心肺の用意まで指示したりで、本当に手術室に欲しい恐ろしくできるナースです。
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イムス東京葛飾総合病院 心臓血管外科
山岸 俊介
冠動脈、大動脈、弁膜症、その他成人心臓血管外科手術が専門。低侵襲小切開心臓外科手術を得意とする。幼少期から外科医を目指しトレーニングを行い、そのテクニックは異次元。平均オペ時間は通常の1/3、縫合スピードは専門医の5倍。自身のYouTubeにオペ映像を無編集で掲載し後進の育成にも力を入れる。今最も手術見学依頼、公開手術依頼が多い心臓外科医と言われている。