“食べられない” 理由があることを理解して

私たち大人は、給食で悩む子どもたちに “どんな言葉” をかけたらいいのでしょうか。

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』の編集長の山口健太さん(30)は、一般社団法人 日本会食恐怖症克服支援 協会の代表理事も務めています。

山口さん自身も、小学校の給食時間が楽しいものではなかったといいます。そうした自身の経験からそれぞれの違いを理解し、受け入れあうことが重要だと訴えます。

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』​編集長 山口健太さん:「いっぱい食べなきゃいけない、完食しなきゃいけないとか、そういったプレッシャーによって逆に食べられないってことがあるんです。なので『無理しなくても大丈夫なんだよ、楽しく食べられる分だけまず食べてみたら』といった声かけをすることで、結果的に気持ちがちょっと落ち着いて楽になって、食べる量が増えたり、食欲が増したり…。緊張や不安な状態だと筋肉が硬直するので、どんどん喉を通っていかないということが増えていくんですけど、声かけ一つで、気持ちが緩んで、食べられることが増えていきます。安心できる環境を作ってあげることが大事だと思います」

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』​編集長 山口健太さん

給食の時間が誰にとっても楽しく、ホッと安らげる時間であってほしいと山口さんは話します。

『きゅうけん|月刊給食指導研修資料』​編集長 山口健太さん:「その子が挑戦できるハードルというのがあるんです。例えば一口も食べたことがない、すごく苦手なものがあって、大人はそこで一口食べてみることを提案することが多いと思うんですよ。でも子どもにとっては、もしかしたらそのハードルがすごく高いことかもしれない。それだったら、まずちょっと匂いを嗅いでみるとか、ちょっとペロッとだけしてみて食べられそうか確認してみるとかっていうのでもいいと思います」