実際の心臓手術以上の現場

現場では最初はガウンを着るところ、手袋をつけるところ、手術の器械を渡すところ、受け取るところ、組織を縫っているところの所作、姿勢、糸結び、手水のかけ方、助手の動き方、サクション(吸引)の位置、ここは清潔、ここは不潔、すべて1から始めて、1話の仕上がりは本当に1流の心臓外科チームになっていました。正直心臓の手術は2時間から長くても5、6時間で終わります。

演者さんたちは長いときは朝から晩まで手術着を着て、1日中立ち続けて汗まみれになって一つの手術シーンを作って、周りのスタッフさんたちも絶えず準備を続けて…本当に頭が下がります。自分は手術をするときに、命をかけて手術をしています。目の前の患者さんが死んだら、自分も死ぬと思って手術をしています。その一つの命を救うための情熱を描く現場の情熱は、想像以上の熱量を持っていて、想像以上に刺激的で、自分もかなり影響を受け、この仕事をしてからの日々の診療、日々の手術は以前よりもクオリティーの高いものになっています。

1話はかなりマニアックで、本当に第一線の心臓外科医にしかわからないような内容がかなり多くなっていました。2話以降、もっとマニアックで出てくる医療は現在考えうる最先端の医療ばかりです。できる限りわかりやすく、解説できればと考えています。

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イムス東京葛飾総合病院 心臓血管外科 
山岸 俊介
冠動脈、大動脈、弁膜症、その他成人心臓血管外科手術が専門。低侵襲小切開心臓外科手術を得意とする。幼少期から外科医を目指しトレーニングを行い、そのテクニックは異次元。平均オペ時間は通常の1/3、縫合スピードは専門医の5倍。自身のYouTubeにオペ映像を無編集で掲載し後進の育成にも力を入れる。今最も手術見学依頼、公開手術依頼が多い心臓外科医と言われている。