こどもから大人まで幅広い世代に人気のある絵本作家、宮西達也さんの作品を集めた展覧会が山口県周南市で始まっています。
宮西さん本人に、作品に込めた思いも聞いてきました。
6月28日、周南市美術博物館で、作品展が始まりました。「宮西達也の世界ミラクルワールド絵本展」。
97作品の原画およそ270点が展示されています。
クロル舞アナウンサー
「まるで宮西さんの絵本の中に飛び込んだかのような、ワクワクする空間が広がっています」
「おまえうまそうだな」や、「おとうさんはウルトラマン」などの代表的なシリーズの原画はもちろん、作家活動の原点となる大学生時代の作品や、スケッチ、作画技法の解説も見ることができます。
静岡県出身の宮西さんは26歳で絵本作家としてデビュー。
41年間、絵本を描き続けてきました。
作品は300冊にのぼります。

絵本作家 宮西達也さん(67)
「絵本って1冊あれば、こどもと親とおばあちゃん、おじいちゃん、コミュニケーションがとれるんですよ。面白かったねって。共有できるんですよ。そして本当に子育てのためにもいいんですよ」
幅広い世代の心をつかむ宮西さんの絵本。
中でも恐竜たちの愛の物語を描いたティラノサウルスシリーズは日本だけではなく、世界各国で愛読されています。
シリーズは16作まで続きました。
さまざまな恐竜たちが出会い、食べる食べられるの関係を超えて、心を通わせていく物語です。
宮西さん
「一番大事なものはなんなんだろうって思ってほしいんです。お金ではないです、ティラノのような力でもないし、権力でもないしやっぱり一番憧れるし素敵なのは『ウマソウ』のやさしさと思いやりですよ」
強いティラノサウルスが無邪気な草食恐竜の赤ちゃん「ウマソウ」と接する中で、「強さ」ではなく、大切なものに気づいていく物語です。
宮西さんの絵本には様々な動物が登場しますが、その多くは弱肉強食の世界を生きています。
食べるものと食べられるもの。
その間に生まれる「無償の愛」が表現されています。
宮西さん
「食べちゃえばいいんだけど、そこを我慢してまでもこいつのために頑張りたい、こいつのために何かしてあげたい、それが愛です」
ティラノサウルスシリーズ最新作の原画も展示されています。