大学生らが新しい感性で制作した屏風を、倉敷市にある伝統的な建物に飾ろうという「倉敷四方(よも)屏風展」がきょう(16日)から始まりました。

歴史ある建築空間を現代の屏風作品が彩ります。

(倉敷芸術科学大学芸術学部 森山知己教授)
「古びたものも美しいきれいなまま箔を使うのではなくて、少しこすってダメージを与えることでそういう表現をやった」

倉敷市児島味野の旧野崎家住宅です。玄関や座敷などに倉敷芸術科学大学の学生や研究生らが作った屏風が展示されています。

中には、児島特産のジーンズをそのまま埋め込んだ作品もあります。

(訪れた人)
「​すごいなあと思った。なるほどなあというのがわかりますね。昔の人がよく考えてやっているなあと」

新しい感性とともに大事にしているテーマが伝統技術の継承です。倉敷芸術科学大学では、2018年から地元の表具内装協会の指導を受け、学生たちが屏風づくりに取り組んできました。

(屏風を作った研究生)
「新しいことに挑戦できた楽しみと、初めてでどきどきする大変さとで結構頑張りました」

(屏風を作った大学院生)
「今後も日本画を描いていきたいと思っているので、せっかく学んだことを後の未来につなげていけるようにしたい」

若者の感性による屏風と歴史ある倉敷の建物が融合することで新たな魅力が生まれればと、倉敷市などで作る実行委員会が今年初めて開いた展示会です。

(倉敷芸術科学大学芸術学部 森山知己教授)
「何か出会ってくれて、デジタルだけでないものということを次の世代に伝えて、表現することを続けてくれたらいいなと思っています」

倉敷四方屏風展は、旧野崎家住宅のほか美観地区周辺の2か所と玉島の合わせて4か所で、一部を除き9月4日まで開かれています。