4年前、大分県宇佐市安心院町で親子2人が殺害され、現金が奪われた事件の裁判員裁判。強盗殺人などの罪に問われた男に、検察側は死刑を求刑しました。

2020年2月、宇佐市安心院町の住宅で、殺害された山名高子さんと、長男の博之さんが発見されました。

事件現場  宇佐市安心院町 (2020年・2月)

事件から1年8か月後に逮捕された佐藤翔一被告は、2人を包丁などで殺害し、現金を奪った強盗殺人などの罪で起訴されました。

佐藤被告は逮捕された時から一貫して無罪を主張。そして17日ー。

(堤記者)「きょうの論告求刑公判も、初公判同様に傍聴希望者が多いため、抽選が行われています。裁判への関心の高さが伺えます」

大分地裁で開かれた裁判員裁判の論告求刑公判で、検察側は「ウソのストーリーを重ねて供述が変遷するなど、全く信用できない」と主張。そして、「犯行は極めて残酷なうえ、事件に向き合う姿勢は皆無。更生の可能性は乏しく死刑が相当」として、佐藤被告に死刑を求刑しました。

また、17日は被害者参加人として、遺族3人が出廷して「なぜ殺されたのか、事実を説明してほしかった。私たちの傷は一生消えないし、被告を許すことは一生ありません」などと意見を述べ、遺族側も死刑を求めました。

一方、弁護側は「証拠が不十分で、第三者による犯行も否定できない」と指摘。最終意見陳述で、佐藤被告は「この法廷でうそはありません。犯人がとても憎い。僕は犯人ではありません」と改めて犯行を否定し、無罪を主張しました。

判決は7月2日に言い渡されます。