事業を譲渡する形で破産開始手続きに入った岩手県雫石町の温泉旅館「長栄館」が、事業譲渡の難航により6月15日で営業を終了する見込みであることが分かりました。
1952年創業の長栄館は利用客の減少などにより2024年2月20日に破産手続きを開始しました。負債総額はおよそ28億7400万円です。長栄館は盛岡地裁から事業継続の許可を受けて破産管財人により従業員の雇用も含めた事業を譲渡する形での破産手続きが進められていました。5月27日、長栄館に取引先など20人余りが集まり長栄館の代理人から破産手続きの進捗について説明がありました。
破産管財人によりますと、事業譲渡に向けては1社から最高金額となる2億円での入札がありました。しかし、長栄館の建物・土地の担保権を持つ地元の金融機関が最低価格を3億3000万円に設定した再入札を要求するなど、事業譲渡は難航していました。
関係者によりますと長栄館は資金繰りが困難になり今月15日での営業終了を判断したということです。従業員28人は解雇となる見通しです。
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