旧優生保護法により不妊手術を強制された人たちが国に賠償を求めた裁判について、最高裁大法廷は7月3日に判決を言い渡すことを決めました。

この裁判は、旧優生保護法をもとに不妊手術を強制された障害者らが国に損害賠償を求めているものです。手術を受けた障害者らは「差別的な取り扱いで憲法に違反していた」として、国に損害賠償を求めて各地で提訴しています。

このうち、札幌、仙台、東京、大阪の高裁で判決があった5つの訴訟を最高裁大法廷が審理していて、5月29日には原告と国の意見を聞く弁論が開かれていました。

裁判の争点は、▼旧優生保護法が憲法違反かどうか、それに、▼不法行為から20年経つと賠償を求められなくなる「除斥期間」の規定を適用するかどうかです。

最高裁大法廷が審理している5つの訴訟の高裁判決はいずれも旧優生保護法を違憲としたものの、「除斥期間」の適用については判断が分かれています。

5つの訴訟のうち、4つの訴訟では「除斥期間の適用をそのまま認めることは著しく正義、公平の理念に反する」などとして、「除斥期間」を適用せず国に賠償を命じていますが、残り1つの訴訟は「除斥期間」を理由に訴えを退けていて、判断が割れています。

また、「除斥期間」を適用しなかった4つの高裁判決でも「除斥期間」が適用されない期間について判断が分かれています。

7月3日午後3時に最高裁大法廷が言い渡す判決で、どのような統一的判断を示すか注目されます。

判決期日の決定を受け、原告の1人である北三郎さん(仮名、81)は取材に対し、「決まったことは嬉しいが、まだどういう判決かわからず怖い」「除斥期間の話はせず、みんなが救われる判決になってほしい」とコメントしています。

「不良な子孫の出生防止」をうたった旧優生保護法は1948年に制定され、障害のある人などに本人の同意を得ずに強制的に不妊手術をすることを認めていました。同意のあった人も含めておよそ2万5000人が手術を受け、このうち1万6000人は同意がなかったとされています。

2018年以降、被害者ら39人が全国12の地裁・地裁支部に訴訟を起こしていますが、現在までに6人の原告が亡くなっています。