旅行客が戻ってきている広島駅周辺に集中的にホテルを配置しようとしている『アパグループ』。広島駅周辺に、建設中のホテルを含めると5棟体制で1954室という圧倒的な客室数を確保する予定です。

5月15日、『アパホテル&リゾート広島駅前タワー』の起工式が行われました。その際に、築年数が古い『アパホテル広島駅前』の建て替えも合わせて発表されました。2000室を超える計画となっています。

どんな戦略なのか、広島サミットから1年の今、広島をどのように見ているのか、2年前、グループの社長兼CEOに就任したアパグループ・元谷一志 社長兼CEOに聞きました。

新型コロナの5類移行、そして広島サミットから1年が経過し、観光業界は活気づいています。798のホテル・およそ12万室を展開する国内最大級のホテルチェーンが、建設が続く広島駅前への注目を続けています。

2008年に広島初進出しました。2016年には広島市内最大級の客室「アパホテル広島駅前」を開業。コロナ禍では2年前の1月まで軽症の患者を受け入れていましたが、5類移行後……

アパグループ 元谷一志 社長兼CEO
「昨年の5月にサミットが行われまして、その時に過去最高売り上げを広島駅前大橋が記録しまして、その後、宮島のですね、観光客も一気に増えました」

コロナ禍でも赤字にならず、去年11月に連結決算で52期連続の黒字となり、売上高は過去最高を更新の1912億円、経常利益も過去最高の553億円となりました。後押ししているのは、訪日外国人客です。

元谷一志 社長兼CEO(記者会見)
「昨年で約30.3パーセントの方が訪日外国人旅行者です。これはコロナ前の水準よりも5ポイント以上ですね。実は、訪日客が全国平均で増えているっていうことは、今まで最も多かったお客さまが日本人のお客さまだったんですが、おそらく訪日外国人旅行者が50パーセントを超える時代もいずれやってくるのではないか」

元谷さんが広島市で開業を計画しているのが3棟。すべて広島駅周辺です。7月開業予定の『アパホテル広島駅前新幹線口』は、14階建て、294室。10月に開業するのが『アパホテル広島駅前スタジアム口』。同じく14階建ての242室。そして先週、起工式が行われた『アパホテル&リゾート広島駅前タワー』の開業を目指します。32階建て、600の客室に最上階にプールや大浴場・露天風呂、さらに館内に大型レストラン備え、新広島駅ビルの2階とペデストリアンデッキで直結します。

建設業の残業規制による2024年問題などの影響で、開業予定が当初より2年遅れて2028年春となったため、この日、新たな計画が発表されました。

元谷一志 社長兼CEO
「実は弊社のアパホテル広島駅前、91室のホテルを今度、10月に解体をいたしまして、新しく、そこにホテルをスクラップアンドビルドで建てまして、154室のホテルを作ることにしました」

2年後に開業したいとしていて、これで広島駅周辺に2000室を超えるホテルが集積します。

元谷一志 社長兼CEO
「ホテルの中でプライスリーダーになるのは、おそらく広島駅前タワーが開業したときになる」

ここまで集積させるメリットはなんでしょうか?