日本維新の会の吉村共同代表が0歳から選挙権を与える「0歳児選挙権」を次の総選挙の公約に盛り込む考えを表明。賛否の声が上がっています。
「特定の人にだけ2票の権利を付与する不公平な考え」という声も
加藤シルビアキャスター:
日本維新の会は、0歳児への選挙権付与について明らかにしました。詳しくみていきましょう。

次期衆議院選挙の公約として言及したのが0歳児への選挙権なのですが、もちろん赤ちゃんは投票することができません。子どもが意思表示できない間は、親が代理で行使することを想定しているということです。

どうしてなのか。その理由について吉村共同代表は、子ども・孫世代というのは圧倒的に政治的な影響力がない状態にあると指摘したうえで、「子どもが意思表示できない間は親が代理行使するとなったとき、政治家は強烈にそちらの方を向くと僕は思っています」と説明しています。
この案について、SNSでは賛否両論でした。

「私は0歳から選挙権に賛成。親としては、子供の未来を考えて投票したい」
「実質的に特定の人にだけ2票の権利を付与する、きわめて不公平な考えです」
「0歳選挙権はやりすぎだけど、年齢上限を70歳とかにしてほしい。若者がどんなに投票しても高齢者人口には到底かなわない」
ホラン千秋キャスター:
確かに、0歳児はまださまざまなことを考えられないので、その子たちに選挙権を与えることはどうなのだろうと思うところはわかります。
やはり今の選挙をみてみると、年齢が下がれば下がるほど投票に行かなかったり、人数が少なかったりします。そう考えると、これから先が長い若者たちの意見をどう政治に反映していくかという課題はあるわけですよね。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
ですから若い人の声を反映するという気持ちはわからないでもないのですが、実際には法律的、制度的には相当無理があります。気持ちをどういうふうに体現するか、ちょっと別な手法を考える必要があると思います。
ホランキャスター:
となると、どういうメッセージを込めてこのアイデアが浮かんできたのだと思われますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
要するに、若い人の政策が政治的に実現されていないと。シルバー民主主義とよくいわれますが、お年寄りのための政治になっているのではないかということに対する改善策の一種です。
しかし憲法の平等原則だとか、なにせ今の公職選挙法を変えなくてはいけません。そうすると、それによって当選してきた人たちが今度また法律を改正するわけですから、既得権益があるわけで、なかなかそれをブレークするというのは難しいでしょうね。
井上貴博キャスター:
やはり1人1票の原則を考えると難しいのでしょうが、理念としては、個人的には賛同できるところがあります。超少子高齢化時代に入ってくるなかで、各世代の意見をどう政治に反映させていくか本気で考えていかないと、立ち行かなくなると思います。
「社会保障制度改革、大事だよね」と政治家の皆さんはおっしゃいますが、結局、本気でできないわけですよね。やはりシニア層に配慮しなければいけない。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
シニア層は逃げ切ればいいんだ、みたいな感覚を持っている人もいますからね。
井上キャスター:
そうすると、抜本的に変えるために、一笑に付すのではなくて、やはり議論すべきなのではないかと。どんなやり方があるとお考えですか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
投票年齢を、今は18歳ですが16歳に下げるとか、それは一つあります。
それから、やはり全体として投票率が上がると、若い人も投票します。最近、台湾で総統選の投票がありましたが、投票率は約72%です。日本はだいたい55%ぐらいですから、若い人に関心を持ってもらうような政治にするということが原則で、ネット投票も一つ有効な手段だと思います。