運動会を春→秋に変えた学校も

学校側も開催時期について頭を悩ませています。福岡市の警固小学校は今年から秋に運動会を実施することに決めました。
警固小学校 田中賢治校長「今年は10月26日に実施します。一番は熱中症対策で、昨年の練習が5月の連休明けから始まったが、暑い日が続いて子どもたちの様子を見ているとこちらも心配になった。(運動会当日)終わったときに4人が軽い熱中症で保健室に来てそういうのを見て危ないなと思ったのがまず一つですね」
福岡市教育委員会によりますと、今年、福岡市内にある小・中学校の運動会は、224校のうち155校が春に、69校が秋に開催します。警固小学校も含め6校が運動会の開催時期を春から秋に変更しました。子供の安全のためですが、行事を分散化するために例年秋に行っていた音楽発表会を6月にするなど、日程の調整は簡単ではなかったといいます。
警固小学校 田中賢治校長「自然教室とか修学旅行とか1年前から予約している。運動会と近づけると5・6年生がきついのでそこは考慮した」
一方、赤坂小学校は市内の小学校で最も早い5月18日に開催することを決めました。

赤坂小学校 今林義勝教頭「30℃以上にならない時期にすることによって熱中症を防ぐという意味がある。これまでの練習内容でいくと、かなり前倒しになって入学式の後からすぐ練習となるが、例えばICTを使って教室でタブレットでダンスの動画を見て練習をしたりとか、工夫をして短い期間で練習をするようにしている」
練習時間の半分を扇風機や冷風機、ミストが出る装置など、熱中症対策が整った体育館で実施。運動場での練習前には教員が天気予報や熱中症警戒アラートを確認したうえで、特殊な温度計を使って暑さ指数も測定します。
赤坂小学校 才田あゆみ養護教諭「基準が決まっていて温度が危険になると外で活動が出来なくなるので、ポスターで掲示をしてそれを見ながら活動をしている。昼休み遊べないこともある」
運動会当日も午前中のみの開催で、さらに学年によって2つのグループに分け、競技がない時間帯は、オンラインで教室から応援することにしています。
屋根付きドームや「夜の体育祭」・・・開催方法の見直しも

暑さを避けるために運動会の開催方法を見直した学校もあります。九州産業高校は、おととしから屋根付きのみずほPayPayドームで体育祭を開催。福岡第一高校と第一薬科大学付属高校は、おととしから体育祭の開催時間を、夕方6時以降に変更しました。
専門家は、熱中症になりにくい時期を選び、環境を整えたうえで、発症した人が出た場合に備えることが重要だと話します。
福岡大学スポーツ科学部 檜垣靖樹教授「熱中症になるリスクはあるので、実施する月を決めるよりもいつ何時そういうことが起こっても速やかに対応できる環境づくりが大事だと思う」
年々厳しさを増す暑さ。運動会を安全に楽しめる行事にするため、学校側には改めて実施時期や方法を検討し、熱中症の予防対策を行うことが求められています。