ニューヨーク・タイムズのことし「行くべき52か所」に選ばれた山口市は11日、アメリカ・ニューヨークで行われた「ジャパンパレード」に参加しました。

山口市伝統の祇園囃子の音色が海を越え、アメリカ・ニューヨークの街に鳴り響きました。日米の文化交流促進などを目的に、ニューヨークで開かれている「Japan Parade & Street Fair」。

3回目の開催となることしはおよそ100組が参加し、太鼓や武道などの伝統文化やポップカルチャーが披露されました。ニューヨーク・タイムズのことし「行くべき52か所」に選ばれた山口市からは、伊藤和貴市長や、山口祇園囃子保存会のメンバーらが参加。瑠璃光寺五重塔などのイラストやちょうちんで飾られた山車に乗ってセントラルパークウエストをおよそ1キロに渡ってパレードしました。

山車の上では、ニューヨーク・タイムズで「魅力の1つ」として紹介された、山口祇園祭の初日に演奏される祇園囃子を披露しました。

訪れた人
「日本の踊りや音楽を詳しくは知りませんが、美しく、とても楽しめました」
別の人
「服装はとてもかわいくて、音楽がかっこいい」

伊藤和貴山口市長
「観衆からの反応がすごくよくて、山口のちょうちんまつり、祇園祭、しっかりアピールできたと思います。祇園囃子はかなりの方が耳を澄まして聞いておられて、特に周りの音が集中するところでは、スピーカーのそばで聞いてくださるお客さんがいたりして、やはりかなり注目度が高いなという印象は受けました」

この祇園囃子は戦後50年近く途絶えていましたが、地元の有志らが京都の演奏者から教わり、1990年に復活させた伝統文化です。

山口祇園囃子保存会 真庭宗雄代表
「感激しました!このお囃子を山口から持ってきて、生で聞いていただいたのが本当にうれしかったです」

復活した音色は国を越え、訪れた人々を魅了していました。

真庭代表
「こうやって続けてきてよかったと思うし、この山口の祇園囃子をまだまだこれからもやっていかないといけないと思っています」

ニューヨークに50年ほど住んでいるニューヨーク山口県人会の沼田忍会長は、山口市の隊列で剣道を披露しました。

ニューヨーク県人会 沼田忍会長
「沿道からかけられた声は『山口』ということばや『がんばれ』とか、あるいは『HELLO』とか。盛り上がりは大変よかったと思いますね」

魅力や文化を伝えるストリートフェアもあり、山口市のブースでは、うちわやはちまきをもらおうと、列ができたといいます。

今回の訪米で伊藤市長は、ニューヨーク・タイムズ本社を訪れ、日本の観光について話しました。

伊藤市長
「大規模な観光地から次のステップ、もっと深い日本の都市のあり方、生活のあり方、そういったところに今興味が移っていると」

ニューヨークに住む沼田会長も、観光の楽しみ方が変化してきているといいます。

沼田会長
「個人レベルで『地方の日本人の人はどういう生活をしているのかな』と、日常生活をぜひ拝見をしたいという人もずいぶん増えてきたんじゃないかと思います」

この形の観光の需要が山口市にはあるとしつつ、外国人観光客を受け入れるために、補強すべき点も指摘します。

沼田会長
「Wi-Fiだとか、売店のね、山口駅の売店が私が行ったときなくなっちゃったんですよね、ロッカールームだとか。そういうのも今改善していると言われてましたけども、あと最低英語表記をぜひぜひやってくださいよ」

ニューヨークでの観光PRや祇園囃子の披露は、山口の生活を感じられる心地の良い観光のあり方をさらに考えていく機会にもなったようです。