シリーズ「現場から、」です。中国で今、イスラム教のモスクを「中国風」に改修する動きが加速しています。一体何が起きているのか、取材しました。
これは去年5月、中国南部、雲南省で撮影された映像。住民がものを投げて抗議したり、警察官に詰め寄る姿が確認できます。
住民はイスラム教を信仰する、少数民族・回族。地元政府がイスラム教のモスクを「中国風」に改修すると決めたことに抗議しているのです。
抗議から1年。現地を訪れてみると、モスクの改修はすでに終わっていました。
これは以前の姿。緑色のドームや塔がなくなり、中国風になっているのがわかります。
近所の人
「政府がモスクの外観を一変してしまったのです。訴えても聞いてもらえないし、受け入れるしかない。どうしようもないのです。警察が仲間をたくさん逮捕しました」
一方、こちらは北京市内にあるモスク。1713年に建てられ、300年以上の歴史があります。以前はこのような姿でしたが、去年、ドームが撤去され中国風に変わっています。一見するとモスクのようには見えません。
近所の人
「(Q.反対しないのですか?)みんな軍が怖いでしょ?新疆ウイグル自治区では、銃を突き付けて支配していますから」
この日は集団礼拝が行われる金曜日でしたが、人の姿は全くありません。改修されてから、礼拝に来なくなったのだといいます。
近所の人
「普段から人がいませんよ」
今、中国ではこのようなモスクの改修が各地で相次いでいます。
背景には政府が2015年に打ち出した、信仰よりも中国共産党への忠誠を優先させる「宗教の中国化」政策があります。
また、政府は最近、未成年者がモスクに出入りすることを禁止する通達をしました。宗教に触れる機会を減らし、信仰心を薄れさせるのが目的ではないかといわれています。
近所の人
「昔は、中国政府は宗教の自由を保障していました。しかし、今は『宗教の中国化』です。どうしようもありません」
中国国内の宗教活動の自由は、ますます制限される一方です。
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