あす(5日)の瀬戸内国際芸術祭の夏会期の開幕にあわせて、高松市の屋島山上に新たな施設が完成しました。その名も「やしまーる」です。

かつて年間250万人近くが訪れた「香川の一大観光地・屋島」復活へのきっかけになればと、期待されています。

屋島の山上に完成した、交流拠点施設「やしまーる」です。緩やかな曲線を多用した独創的なデザインで、瓦には高松市特産の庵治石が使われています。

展示室では、屋島が舞台となった源平合戦をテーマにした巨大なパノラマ絵の制作も進んでいます。

(リポート 坂本良太郎記者)
「建物の周囲は、全長200メートルほどの廊下になっています。地形に合わせた廊下は両サイドが『全面ガラス張り』で、瀬戸の雄大な風景を楽しむことができます」

屋島の活性化を目的に、高松市が約16億円をかけた「やしまーる」です。「観光地屋島」の復活を狙います。

(大西秀人 高松市長)
「旅行ブームが去って、非常にみすぼらしい状況になっていた。少しでも観光客が増えて、地域全体で滞在客が増えるよう寄与できたら」

1961年の屋島山上の様子です。多くの観光客で賑わっていました。

ピーク時は年間250万人近くが訪れましたが、観光客は減少しこの10年ほどはピーク時の2割ほどに落ち込んでいます。

かつて旅館があった場所に建てられたのが「やしまーる」です。

屋島山上にある飲食店も新たな施設の誕生に期待を寄せます。

(れいがん茶屋 森静家社長)
「屋島にひとつのポイントができて、景色だけじゃなく『賑わっている』という感じが伝わっていけばいい」

(大西秀人 高松市長)
「屋島一帯が『文化的価値を持った地域である』ということを売り出していければ。高松市全体の観光振興に役立つように持っていければ」

『人々の輪』という意味も、「まーる」の言葉に込めた「やしまーる」。屋島山上から交流の輪、賑わいの輪を広げていきます。