ウクライナ軍の総司令官は、東部の前線付近の一部で部隊が後退したことを明らかにし、「ロシア軍が一定の戦術的成功を収めた」と述べて、苦戦を認めました。
ウクライナ軍のトップ、シルスキー総司令官は28日、SNSで、前線の全域で激しい戦闘が続き、特に東部ドネツク州のアウディーイウカとマリインカの西方面が最も困難な状況になっているとしました。
そして、この地域にある3つの集落でウクライナ軍の部隊が後退したことを明らかにしました。
シルスキー総司令官は「ロシア軍はこれらの地域で一定の戦術的成功を収めた」と述べて、苦戦を強いられていることを認めたものの、「作戦に影響を与えるほど優位に立つことはできなかった」としています。
また、ウクライナでは、戦闘の前線だけでなく、南部などでもロシア軍による攻撃が相次いでいます。
こうした攻撃について、イギリスの経済紙「フィナンシャル・タイムズ」は26日、ウクライナの情報当局者の話として、ロシア軍が来月末から6月にも大規模な攻勢を始めると予想しているとしたうえで、「その前の地ならしではないか」と伝えています。
ウクライナは、アメリカのバイデン政権が発表した追加の軍事支援や追加動員で戦力を回復させ、反撃につなげたい構えです。
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