イスラエルが侵攻を続けるパレスチナ自治区ガザでは、危機的な食料不足が続いています。イスラエルは人道物資の搬入を拡大する方針を決めましたが、検問所では市民による妨害が行われています。
侵攻から半年以上たった今も、イスラエル軍の攻撃が続くパレスチナ自治区ガザ。
現地メディアによりますと、南部ハンユニスではイスラエル軍の撤収後、病院の敷地内で集団埋葬地が見つかり、これまでに283人の遺体が収容されました。ガザ全体での死者はすでに3万4000人を上回っています。
攻撃に加え、ガザの市民を苦しめているのが深刻な食料危機です。
国連人道問題調整室によると、ガザ北部では2歳未満の3人に1人が栄養失調に苦しみ、今月上旬までにすでに28人の子どもが命を落としました。
イスラエルの最大支援国であるアメリカの圧力で、ネタニヤフ政権はガザへの人道物資の搬入を拡大する方針を決定。しかし搬入口となる検問所近くに行ってみると…
記者
「ガザへと人道支援物資を運ぶトラック、何十台とずらっと奥まで続いていて、立往生という状況になっています。その手前、数多くの乗用車が道の真ん中に止られていて、トラックをブロックしています」
イスラエル南部、ケレム・シャローム検問所から20キロほどの場所で支援トラックを妨害しているのは、イスラエルの右派系市民です。
記者
「道路の真ん中に座り始めました。身体を張って人道支援物資を中に通さないぞ、と」
支援を妨害する市民
「動きません。私に命令しないで、動かないから。ハマスの味方をするんですか。触らないで、手をどかして」
記者
「イスラエル軍が力づくで排除しています」
こうした抗議活動は連日続き、予定されていたトラックがガザへと到達できないこともあるということです。
支援を妨害する市民
「彼らはハマスに支援物資を供給しています。(Q.飢えに苦しむ市民のことを思うとどう感じますか?)ガザの市民で無実の人は1人もいません」
「(Q.多くの子どもが飢えで亡くなっているが?)私は人が飢えで亡くなっていると思えません。国連などの組織が言っているだけです。(Q.しかし実際に子どもたちが死んでいるとしたら?)だとすれば、飢えを終わらせられるのは彼らの親だ。人質を解放すれば良いだけだ」
国連機関は、早ければ5月にもガザ北部が飢饉に襲われると警告するなど、待ったなしの状況に追い込まれています。
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