JR東海のリニア工事をめぐる国の有識者会議が東京都内で8月2日に開かれ、南アルプスの生態系への影響を検討する議論が本格的に始まりました。委員からは「工事による影響の回避や低減を前提とした議論が必要」との意見があがりました。
有識者会議は、これまで大井川の水資源への影響について議論を重ねてきましたが、6月からはリニア工事が南アルプスの動植物などに与える影響についての議論が始まっています。
2日は、静岡県の難波理事が、議論が先行している県の専門部会の状況を説明。難波理事は南アルプスには絶滅が危惧される生物や多様な植物が残っていること、トンネル掘削による地下水位の低下や水枯れで生態系への影響が懸念されることなどを報告しました。
委員からは、何かが起こってからの代償措置ではなく、影響回避や低減を前提に議論を進めることやリニア工事がどこまで環境の変化を及ぼす可能性があるのか把握するための「リスクマップ」の作成などが提案されました。県の主張に一定の理解を示した格好です。
<静岡県 難波喬司理事>
「県が無理難題を吹っかけているのではないかという疑問が社会には実際に存在しますので、そうではないと、ある程度この有識者会議でご理解いただいた」
また委員からは、リニア工事の生態系への影響やその回避について具体的に検討するためにも、南アルプスの環境などに関するデータを求める声も上がりました。
<JR東海 宇野護副社長>
「当然必要なデータについては対応する。今後私どもができることはこの会議が円滑に進むようにできることを何でもやっていく」
有識者会議では今後、流域市町のヒアリングとともに、委員による現地視察も検討していく方針です。
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