新潟水俣病の症状を訴えている人たちが国や原因企業に損害賠償などを求めている裁判が18日に判決を迎えます。審理が始まってからおよそ10年。原告らが8日、判決前最後の街頭宣伝を行いました。
【新潟水俣病第5次訴訟 皆川栄一 原告団長】
「阿賀野川流域の住民がなぜ何十年もの間、手足のしびれや震え、視野狭窄など様々な症状に苦しめられているのか、全く悔しさでいっぱいであります」

「新潟水俣病第5次訴訟」の判決を前に行われた街頭宣伝。原告団長の皆川栄一さんや弁護団らが「裁判の勝利で全被害者を救出させる」と訴えました。

新潟水俣病は阿賀町にあった昭和電工 鹿瀬工場から阿賀野川に流れ出たメチル水銀が原因で、汚染された魚を食べた人たちに感覚障害などが出た公害病です。
2013年に第一陣が提訴して始まった「新潟水俣病第5次訴訟」では、国の救済策から漏れた原告149人が国と昭和電工に対して全被害者の救出や損害賠償などを求めています。

同様の裁判は、大阪、熊本、東京でも起こされてきましたが、大阪地裁が去年、原告全員を水俣病と認定し、国などに賠償を命じた一方、熊本地裁は原告全員の請求を棄却しました。
【新潟水俣病第5次訴訟 中村周而 弁護団長】
「取り残された水俣病被害者救済の道を閉ざそうというもので、強く批判しなければなりません。近畿訴訟と同じような水俣病の全被害者救済の流れに沿った判決が示されることを強く期待し、そのような判決が出ることを私たちは確信しております」

審理が始まってからおよそ10年。提訴からこれまでに原告31人が亡くなっています。

【新潟水俣病第5次訴訟 皆川栄一 原告団長】
「判決を聞くために皆さん闘って訴えてきたわけですよ。亡くなった人たちに『裁判終わったよ』ということを報告したいなと。勝利に向かって進む信念とかは忘れないで闘っていきます」

判決は18日、原告149人のうち、審理が終わっている47人に言い渡されます。