2日に行われた米中首脳による電話会談で、アメリカのバイデン大統領が南シナ海問題に懸念を示したことについて、中国政府は「アメリカはこの問題に介入すべきではない」と警告しました。
中国の習近平国家主席は2日、アメリカのバイデン大統領と電話会談を行いました。この中で、バイデン大統領は台湾海峡の平和と安定の重要性や、南シナ海での航行の自由の重要性を強調し、中国の威圧的な行動に対する懸念を示しました。
これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は3日、電話会談の中で「中国は南沙諸島、及びその付近の海域に対し争いようのない主権がある。問題の根源は、フィリピン側が不法占拠をしていることにある」と主張したことを明らかにしたうえで、次のように警告しました。
中国外務省 汪文斌 報道官
「米国は南シナ海問題の当事国ではなく、中国フィリピン間の問題に介入すべきではない。自国の領土主権と海洋権益を守るため、中国は強い意志と断固たる決意がある」
来週、バイデン大統領と岸田総理に加え、南シナ海で中国と激しく対立しているフィリピンのマルコス大統領が会談します。
中国は、南シナ海の問題でアメリカや日本がフィリピンの後ろ盾となり、中国に対抗することに神経をとがらせており、会談を前に自らの立場を改めて主張した格好です。
また、新疆ウイグル自治区やチベット自治区での人権抑圧的な政策についてバイデン大統領から懸念が示されたことについては、「新疆とチベットの問題は中国内部の人権問題であり、人権を口実に中国の内政に干渉することに断固反対する」と反発しています。
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