“陥没”騒ぎは名古屋のあちこちで…

名古屋市にも聞くと、地下の掘削工事中に歩道の下の土砂がビルの敷地内に流れ込み、陥没したと見られるということです。

(2012年 加藤久典記者)
「午後10時半です。歩道の地中に大きな空洞が見つかりました」


2012年の陥没現場は、今回の中日ビルからほど近い、同じ名古屋・栄でした。松坂屋北館沿いの歩道にあいた穴は縦およそ1.5メートル、横2メートル、深さ1.5メートルでした。

実は、その1か月前には、同じく栄の名古屋三越横の歩道で、縦横およそ3メートル、深さおよそ2メートルの空洞も見つかっていました。いずれもけが人はいませんでした。

さらに2015年12月。再開発が進む名駅地区でも大きな穴が。この時も幸いけが人はいませんでしたが、穴はおよそ4メートル四方で、深さはおよそ5メートル。穴の横では、地上25階地下2階のビルを建設中でした。

陥没の原因は一体何なのか。

(2015年 工事担当者)
「工事現場内に水が出たことによって、外周部の土と水が、一緒に土砂として運ばれ陥没したのではないかと推察している」

このときの原因は「地下水」でした。名古屋の地下の地盤環境に詳しい専門家は。

(大同大学 大東憲二教授)
「高いビルを作るのに地下も深く掘らなければならないので、地下を掘るために壁を作って、水が入ってこないようにするが、深く掘ったときに水が噴き出してきた」

この時の陥没では、地下水と、工事現場を囲っていた壁から漏れ出した土砂も一気に流失。歩道が陥没したのです。この工事を請け負っていたのは、今回、中日ビルの建設にもあたっている竹中工務店でした。

「地下計画は万全を期していたが…」

28日午後。竹中工務店は中日ビル横の歩道の陥没について、こう答えました。




(竹中工務店 名古屋支店 杉坂正次長) 
「前回ご迷惑をおかけしたこともあって、地下の計画については万全を期していましたが、今回の部分は『遮水壁』といって、水を通さない、粘性の高いものを土の中に入れて、水を止めるというやり方をしていました。今回どの部分から水が浸入したのを、現在調べています。このたびは市民の皆さまをはじめ、関係する方々に大変ご迷惑をおかけしました。心よりお詫び申し上げます」