岡山県内では、用水路への転落事故が相次ぎ、今年は過去最悪のペースで死者が出ています。なぜ事故が多いのか・・・背景に「歴史」や「土地柄」といった岡山ならではの事情があります。

■あの日、いつもの時間になっても妻は帰ってこなかった

(用水路への転落で妻を亡くした男性)
「妻は夜仕事をしていましたので、出勤するために出て行って。いつもの時間になっても帰っていない。『あれおかしいな』と思っていたら、朝警察の方が来られて、浮いているところを…」


「ずっともう自転車に何十年と乗っていて、用水路に落ちたとか、そういったことは聞いたこともなかったので。正直最初は『いえいえそんなはずないだろ』『そんなうちの妻のわけないだろ』って」

岡山市中区に住む45歳の男性です。今月(7月)2日の未明、自転車でアルバイトに向かっていた53歳の妻が、自宅近くの用水路に転落。翌朝の午前5時ごろに発見され、その後死亡が確認されました。

街灯はなかったものの、通い慣れた道だったといいます。

(妻を亡くした男性)
「誰ももう使わないんですけど、妻の老眼鏡。捨てられずにいまだに残している」

高校生と小学生の娘は気丈に振舞ってくれているといいますが、あの日から家族の時間は止まったままです。

(妻を亡くした男性)
「『自分と結婚して良かったか』とか。。。20年ほどですけど『本当に幸せだったんかな』っていうことですかね。そこは本当に聞きたいなとは思いますね」