ロシア国営メディア「イスラム国」の声明「疑わしい」

小川彩佳キャスター:
では、事件現場にいるモスクワ支局長の大野さんと中継を結びます。ロシアでは今回の事件はどのように報じられているのでしょうか?

大野慎二郎 モスクワ支局長: 
事件が起きたのは私の後ろにあるコンサートホールです。黒い焦げた跡が今も生々しく残っています。そして、建物の前には市民らによって手向けられた花が山のように積みあがっています。

今回、過激派組織「イスラム国」が出した犯行声明についてロシア国営メディアの報道では「真偽が疑わしい」といったトーンが多くを占めています。

プーチン大統領は事件翌日の声明で「イスラム国」には一言も触れず、ウクライナ側の関与を示唆。

独立系メディアは、国営メディア関係者の話として「ウクライナ側の関与を示す痕跡を強調して報じるようクレムリンから国営メディアに指示があった」と伝えています。

侵攻が続く中だけに、今後のウクライナへの攻撃激化も懸念されます。

一方、先の大統領選で圧勝したプーチン氏としては「安定」を売りにしていただけに、事件を防げなかったという声が強まれば政権にとっては打撃となりそうです。