札幌市の閑静な住宅地にある保育園。いま、この保育園で、国の助成金を不正に請求していた疑惑が浮上しています。

保育園の関係者
「(助成金の申請時に)辞めた職員であったり、ほかの保育園の職員の名前を書いたり…。園児であれば見学に来ただけで、入園していないはずが、その園児の名前を入れたり…もう退園した子供の名前入れたり」

園児の保護者
「私的には“完全崩壊”だと思ってますし、安心安全がゼロだと思っています」

 保育の現場で、何が起きているのでしょうか。その実態を取材しました。

 札幌市にある“認可外保育園”。国から施設の整備や運営のための助成を受けている、いわゆる「企業主導型保育園」です。

 HBCが入手した保育園の運営会社に対する請求書です。差出人は、国から助成事業を委託されている「児童育成協会」とあります。この請求書は、助成金の過払い額の返納を命じたもので、返納額は2022年度だけで約4700万円にも上ります。

児童育成協会から保育園に送られた請求書

 保育園の関係者
「認可外の保育園なので、児童育成協会に園児・保育士の数などを申請して、それに応じて助成金が下りる形だが、保育士・園児の数を大幅に水増しして、申請をかけていたという不正」

 こう話すのは、この保育園を運営する会社の関係者です。
 
 複数の関係者によりますと、運営会社の男性経営者は助成金の申請をする際、実際には、園に通っていない子どもや、園に在籍していない職員を記載して、水増し申請を行っていたというのです。

保育園の関係者
「まず職員だと、この方…あとこの方と、こちらの方(資料を指さしながら)は、すでに亡くなっている。なので…入れられるわけがない。こちらの方は、ほかの保育園の看護師」