今月19日、日銀がマイナス金利政策の解除を発表したことを受け、県内の銀行も預金金利の利上げを発表するなど、動きが出始めています。

家庭や企業への積極的な融資を促してきたマイナス金利政策の解除で、今後県内ではどんな影響があるのか、専門家に話を聞きました。

日銀 植田総裁(今月19日)
「大規模な金融緩和政策は、その役割を果たしたと考えています」

今月19日、日銀が発表したマイナス金利政策の解除。それを受け、全国の地銀が「利上げ」に動き始めています。

県内では、琉球銀行が普通預金を0.001%から0.02%へ17年ぶりの利上げを発表。沖縄海邦銀行も利上げを検討中としていて、徐々に「利上げ」への動きが見え始めています。

大きな政策転換は、私たちにどんな影響をもたらすのでしょうか。

お金の仕組みに詳しい、ファイナンシャルプランナーの友利真由美さんは、今回の利上げによるメリットとデメリットを指摘します。

ファイナンシャルプランナー 友利真由美さん
「預けてもしっかり金利が、利息がつくよという状況は一般の個人のお客さんにとってはメリットにはなるのかなと」

例えば、100万円を1年間銀行に預けた場合、預金者が受け取れる利息はこれまでの利率だと10円(税引前)ですが、利上げ後は200円(税引前)と、わずかながら、利息がアップします。

一方、利上げで生じるデメリットは企業に重く圧し掛かる可能性があります。

ファイナンシャルプランナー 友利真由美さん
「借り入れして、設備投資であったりとか事業拡大、そういったことが積極的に行うことが難しくなってきてるのかなっていう」

物価高や人件費の高騰が企業経営の負担となるなか、銀行が融資する金利が上がれば、企業にはさらに厳しい経営の舵取りが求められていきます。

ファイナンシャルプランナー 友利真由美さん
「今回の利上げによって(利益を)利払いに回さないといけない、人件費に回さないといけない状況になってきているので、そこをうまく乗り切れる企業と乗り切れない企業とで大きく明暗が分かれる潮目かと考えています」

金利の変動というと、気になる人が多いのが「住宅ローンの利上げ」だと思いますが、友利さんは「今回のマイナス金利政策の解除だけでは、大きな影響を受けない」とみています。ただし、国は今後も賃上げの広がりなど経済状況を見ながら段階的に利上げを行う可能性があり、影響は拡大する可能性もあります。