■競泳 国際大会代表選考会5日目(21日・東京アクアティクスセンター)
競泳のパリ五輪代表選考会。今大会ですべてが決まる一発勝負の戦い。5日目に行われた男子200mバタフライで、寺門弦輝(21、セントラルスポーツ/日本大学)が1分54秒07で優勝、本多灯(22、イトマン東京/日本大学)は1分54秒18で2位だった。ともに派遣標準記録(1分55秒27)を突破し、パリ五輪の代表に内定した。
東京五輪銀メダルの本多は大会2日目、400m個人メドレーでまさかの予選敗退。世界選手権直前に負傷した左足首の影響も残る中の本命種目となったが、五輪メダリストの意地を見せた。
決勝のレースは前半から果敢に攻め、日本記録が期待できるタイムで首位で折り返す。持ち味の後半もスピードが落ち無かったが、寺門が猛追。ラスト5mで逆転されたが2位でフィニッシュ。寺門、本多共に内定を決めた。
本多は「代表権を取れて本当にホッとしている」と不安材料もある中でのレースを終え胸をなでおろした。優勝した寺門は日本大学の後輩で「挑戦者としての心意気を思い出させてくれた後輩ですし負けたくないライバル」と評した。今回は後輩に後塵を拝す形となったが、パリ五輪は日本のエースとして臨む。「金メダルを目指してここまでやってきた。今回は負けてしまったがいい教訓になると思う。これから1日1日を大事に頑張っていきたい」と話した。
また、男子200m平泳ぎでは元世界記録保持者である渡辺一平(27、TOYOTA)が2分06秒04で優勝。2位の花車優(24、イトマン東京)も2分07秒07で派遣標準記録(2分08秒48)を突破し、ともにパリ五輪代表に内定した。
今大会で最も代表争いがし烈と評されるこの種目。渡辺、花車に加え、日本記録保持者の佐藤翔馬(23、東京SC)や深沢大和(23、東急 / TSSあざみ野)らが決勝に名を連ねた。レースは最初の50mで渡辺がトップに立ちリード。前半の折り返し時点では日本記録を狙えるハイペースな展開を見せる。後半、花車が追い上げを見せ、接戦に持ち込むと、最後の50mでは深沢も怒涛の追い上げ。手に汗握るレースだったが、渡辺が意地の泳ぎでトップを譲らず、優勝を果たした。続いて花車が2位に入り初の五輪代表に内定した。
レース後、渡辺は「8年ぶりの(五輪)代表権獲得ということで非常にうれしく思う」としながらもタイムについては「もっと出せると、日本新記録を出せると思っていたので悔しい部分はある」と話した。迫るパリ五輪に向けては「W表彰台を目指して、僕は金メダルを目指して日本のお家芸復活に向けて精進したい」と強い決意を示した。
一方、花車も「僕もメダルを獲得したい。一平君の話が少し聞こえたが、僕が金メダルを取ってW表彰台を狙いたい」と闘志を燃やした。
なお、異色の駅員経験スイマーとして代表入りを目指した深沢大和(23、東急 / TSSあざみ野)は派遣標準記録を突破する2分07秒75で泳ぐも3位のため内定を逃した。レースの取材対応では悔しさをにじませながらも「一平さんと優くんには頑張ってほしいと思いました」と気丈にエールを送った。

















