長崎の《黒焦げになった少年》写真に似たシーン

クリストファー・ノーラン監督は、原爆投下の成功で英雄となったオッペンハイマーに、ただれていく皮膚や黒焦げの死体、被爆者を連想させる幻覚をみせています。

大学生 塚根みづなさん(18)
「オッペンハイマーの足元に黒焦げの死体があったことが一番心に響きました。長崎の有名な『黒焦げになった少年(の写真)』あれと似たようなものが映画に入れられたのはすごく考えさせられる所がありました」

高校2年生 安野美乃里さん(17)
「ちょっとだけ被爆に触れるシーンの中で、私がこれまでたくさん会って話を聞いてきた被爆者の方の一人一人の顔が思い浮かびました」
核兵器廃絶の機運が高まることに期待

アカデミー賞7部門受賞、伝記映画・興行収入、歴代1位。
アメリカが直視してこなかった『加害の歴史』でもあるこの映画の何が人々の心をつかんでいるのでしょうか?

政治学者 上智大学 前嶋和弘 教授:
「世界の歴史を変えた男を見たいという所(興味)が一番だと思いますよね。広島長崎の描き方がとても弱いと見えるかもしれませんけどでも“希望”です。アメリカの変化が見えるということは間違いないと思います」

県被爆者手帳友の会 朝長万左男会長:
「反応が出始めてるからね、ハリウッドの俳優さんたちが核廃絶を訴え始めたりとかね。これが若者の間にどういう風に広がっていくかが一番知りたい」
映画の世界的大ヒットで核兵器への関心が高まる中、“核兵器の脅威”を今に伝える被爆者や被爆地への注目にもつながって欲しいところです。
映画「オッペンハイマー」は今月29日から公開です。