日本銀行は、きょうまで開かれた金融政策を決める会合で、マイナス金利政策を解除するなど大規模な金融緩和策の見直しを決定しました。2007年以来、およそ17年ぶりの利上げとなります。
日銀はこれまで、イールドカーブ・コントロールと呼ばれる長短金利操作、具体的には、▼短期金利をマイナス0.1%、▼そして、長期金利を0%程度に誘導することを柱とする金融緩和策を行ってきましたが、長期金利の誘導目標を撤廃。
短期金利については今後、代表的な指標である、「無担保コール翌日物」の金利を0%~0.1%程度で推移するよう促します。短期金利の利上げは2007年以来17年ぶりです。
また、これに加えて、ETF=上場投資信託などリスク資産の買い入れ終了も決定しました。
見直しの理由について、日銀は「賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、2%の物価安定目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断。マイナス金利政策やイールドカーブコントロールなどの大規模な金融緩和は、その役割を果たしたと考えている」と説明しています。
日本銀行は、現時点の経済・物価見通しを前提にすれば、当面緩和的な金融環境が継続すると考えているとしています。
黒田前総裁のもと、2%の物価安定目標の実現に苦戦するなか、起死回生の一手として8年前から導入されたのがマイナス金利政策でした。
日本銀行 黒田東彦総裁(当時)
「量・質・金利といった三つの次元で緩和手段を駆使することによって、金融緩和を進める」
マイナス金利政策は、銀行が日銀に預けるお金の一部にマイナス0.1%の金利を付けることで、民間の銀行がお金を貯め込まず、融資を増やすなどして、世の中の金回りを良くしようとする奇策中の奇策でした。
しかし、企業の借り入れ需要は劇的には伸びず、円安などの副作用が大きくなってきたため、去年就任した植田総裁は解除のタイミングを探ってきました。
今回、マイナス金利解除にあたって、賃上げ状況を注視するとしてきた日銀の背中を強く押したのが、先週金曜日に連合が発表した春闘の「賃上げ率」です。去年の3.8%を大幅に上回る5.28%に達し、33年ぶりという記録的な高水準となりました。
マーケットの反応です。東京外国為替市場では、日銀が「当面緩和的な金融環境が継続する」と発表し、追加の利上げに言及はなかったことなどから円相場は円安方向に進み、一時1ドル=150円台を付けました。
一方、東京株式市場では、円安が進んだことなどにより値上がり。結局、終値はきのうより263円高い4万3円と、3月6日以来、2週間ぶりに4万円台を回復しました。
植田総裁はこのあと記者会見して、今回の決定の背景などについて説明する予定です。
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