30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震について、土木学会は日本経済に1000兆円を上回る被害が生じるとする報告書を公表しました。
土木学会は巨大地震や大規模な洪水・高潮について、政府の被害想定をもとに、その後の経済への影響や国の財政への影響などについての評価を行いました。
それによりますと、首都直下地震が発生した場合、政府による復興が行われなければ、▼建物が壊れるなどの資産被害が47兆円生じるほか、▼GDPの減少額は954兆円にのぼり、日本経済への被害は1000兆円を上回る推計となったということです。
一方で、道路や建物などの地震対策を事前に行う場合、21兆円以上の事業費がかかるものの、経済への被害を369兆円減らせるほか、復興にかかる時間が短くなり税収減も抑えられることなどから、国や地方の財政への影響も軽減できるとしています。
評価を行った京都大学の藤井聡教授は「これまで国の想定は資産への被害が中心だったが、今回、災害によって国民がどれだけの苦しみを被るかを定量的に分析できた。適切なインフラ投資などを行えば被害額は減らせるということを、政府や国民に認識してもらいたい」としています。
土木学会は南海トラフ地震についても、今後、内閣府の新たな被害想定がまとまり次第、評価を進めるということです。
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