富士通が提供した会計システムがきっかけで起こったイギリスの郵便局をめぐる史上最大規模のえん罪事件で、政府は不当に訴追された郵便局長らの有罪判決を取り消す救済法案を発表しました。

イギリス政府は13日、窃盗や詐欺などの罪で不当に訴追された郵便局長らの有罪判決を取り消し、1人当たり最大60万ポンド、およそ1億1000万円の補償金を支払うなどとする救済法案を発表しました。

法案では、有罪判決を受けていなくてもえん罪の被害が認められれば、7万5000ポンド、およそ1400万円を支払うとしています。

この事件をめぐっては、富士通が提供した会計システムの欠陥により、窓口の現金とシステム上の残高記録があわないケースが続出し、郵便局長ら700人以上が訴追されました。ただ、これまでに判決が取り消されたのは100人程度に留まっています。

スナク首相は声明で「この法案は彼らがようやく汚名をそそぐための重要な一歩となる」としています。

政府は今年の夏までに法案を成立させる方針です。