うるま市の陸上自衛隊勝連分屯地で進む新たなミサイル配備計画。「ミサイルは戦争に繋がる」と反対の声が挙がるなか、その関連車両が搬入されました。

3月10日午前7時すぎ、中城湾港に陸揚げされた陸上自衛隊の車両。ミサイル部隊の関連装置を備えています。

防衛省は、有事を念頭に南西地域の防衛力強化に向け近年、県内でのミサイル部隊配備を増やしています。

今月21日には、うるま市の勝連分屯地に地対艦ミサイル部隊を新設する計画です。沖縄本島では初めて12式地対艦誘導弾を配備する予定で、将来的には、中国本土も射程に入るおよそ1000キロに伸ばし相手国の発射基地などを叩く「反撃能力」としての活用を見据えています。

宮城英和事務局長
「尖塔が建っていますよね、あの辺りが広場になっているんですよ。そこで展開訓練をしたりする」

ミサイル配備に反対する市民団体のメンバー。およそ1万500人分の署名を集めるなどして「住民の命が脅かされる」と訴えてきました。

照屋寛之さん
「住民が住んでいようが自衛隊基地を作るんだというのが日本の自衛隊。沖縄を一体なんだと思っているんだ」

シュプレヒコールの音
「ミサイル配備やめろ!沖縄を戦場にするな!」


港のゲート前には、ミサイルの配備計画に反対する市民およそ150人が集まり、抗議の声を挙げました。

抗議するうるま市民(81)
「お願いだから(ミサイルを)上陸させないでっていう思いですね」

抗議するうるま市民(37)
「ミサイル配備という部分で本当に必要なのかっていうことを問いたい」

抗議するうるま市民(84)
「ミサイル配備は戦争に繋がっているもの。戦争の準備だから、これは止めないと。(戦争が)始まってからでは止めきれないですよ」

座り込み開始から約40分。自衛隊の車両は別のゲートから公道に出ていきました。

與那嶺キャスター
「陸上自衛隊の車両が勝連分屯地の前までやってきました。車両の移動を阻止しようと反対する市民たちが座り込みを行っています」


座り込みを行う市民を排除していく県警の機動隊。午前10時ごろには、すべての陸自車両が分屯地へ入っていきました。

市民の会共同代表 照屋寛之さん
「徹底してもっと闘っていかないと(軍備が)拡張される。これからも運動の手を緩めない」

こうしたなか、11日午後0時半すぎ、ミサイルなどを載せたとみられる輸送機が那覇基地に着陸するのが確認されました。

防衛省は今後、ミサイルや発射機複数台を集約したうえで勝連分屯地に運び、今月30日には、部隊の発足式典を行う予定です。

市民の声をよそに、うるま市へのミサイル配備計画が着々と進めれられています。