野菜や文房具など日常にあるものを視点を変えることで新たな世界が広がります。ミニチュア写真家・田中達也さんの作品展が、岡山市北区で開かれています。

「見立ての世界」はいったいどのようにして生まれるのか?きのう(24日)岡山を訪れた田中達也さん本人に聞きました。

飛行機の周りには、雲に見立てたごはん粒。

人々が腰掛けるのは、椅子に見立てたクリップです。

(来場者)
「感動している。来てよかったと思った」
「発想力がすごいなって思いました。天才」

岡山シティミュージアムで開催中の「ミニチュアライフ展2」です。

日用品とジオラマ人形を使い、「身近にあるものを別のものに見立てた」作品・約170点が並んでいます。

(田中達也さん)
「壁の後ろとかに控室がたまにあるんですよね。そこでお客さんが笑ったりとか失笑しているのを聞くのが好きですね」

手掛けたのは、鹿児島市在住の田中達也さんです。


(田中達也さん)
「最初からこういうことをやろうと思ったというよりは、趣味でインスタグラムを始めて、インスタグラムをやっているうちに、食事で余っていたブロッコリーをたまたま木に見立ててSNSにアップしたら、すごく普段より『いいね!』が多かった」

「どうやったら『いいね!』が増やせるかを考えていく中で、そういう『見立て』をテーマにした方がいいかなと」

元々、デザイン会社に勤めていた田中さん。趣味で始めたインスタグラムのフォロワーの数が増えるのが嬉しくなり、「見立ての世界」にのめり込みました。作品は2011年4月から毎日発表し、現在フォロワーの数は360万人以上います。




地元テレビ局の情報番組のオープニング映像や、人気ドラマのオープニングも制作しました。そのアイデアはどこから生まれてくるのでしょうか。

(田中達也さん)
「『おスシティー』という作品で、真ん中に走っているのは寿司の高速道路をイメージしていますね」

「この作品を思いついたのが、よく回転寿司に家族で行ったりするんですけど、例えば大都市圏とかに行くと『ビルがどんどん競い合って縦に伸びていく様子』っていうのも、『回転寿司を食べる時の皿を競い合う様子』になんか似ているな、みたいな」

「普段行動する中で、『それだとこういう風に見立てられる』と考えていく」

さらに人気の秘密が…。

(記者)
「作品のタイトルもユニークです。例えばこちらのカミソリをピアノに見立てた作品、タイトルは『キレのある演奏』です。」

タイトルにはほかにもこのようなものが…(画像参照)

「TOTOここまで来たか。。」

「岡山県の切り札」

「永遠に溶けない雪だるま」

(岡山シティミュージアム 学芸員 瀬戸裕子さん)
「コロナになってからは、だいぶ客足が遠のいていた時もあったんですけれども、こんなに盛況になったのは久しぶり」

インスタグラムからスタートした『見立ての世界』。作品はすべて写真撮影が可能です。

(田中達也さん)
「見立て自体って、結構工夫する力なんですよね。『こうするしかない』と思うと一個しかないですけど、『こうじゃなくてこっちの道もあるよね』って分かれば、という感じですかね。それを一番のお土産にしてほしい」

「ミニチュアライフ展2 田中達也見立ての世界」は、8月31日まで岡山シティミュージアムで開かれています。