中国では今、国会にあたる全人代=全国人民代表大会が開かれていますが、毛沢東時代に登場したある政策への言及がありました。そこから見えてくる中国の未来の姿とは。
今年の中国全人代、李強首相が演説で触れたある言葉が今、注目されています。
中国 李強首相
「新時代の『楓橋経験』を堅持し発展させ、紛争の予防と解決を推進し、陳情取り扱いの法治化を推進する」
「楓橋経験」。毛沢東時代に行われていた治安維持のための運動を指します。
その成果を展示したこちらの施設は去年9月、習近平国家主席が訪れたことで有名になりました。今では共産党員を中心にひと月、数百人が「学習」に訪れるといいます。
近所の住民
「多いときは10~20台のバスが来ますよ」
「習主席が来てから、大型バスで共産党員たちが大勢見学にくるようになったよ」
施設の中には習主席と毛沢東の言葉が並べて示されていました。
1960年代に始まったこの「楓橋経験」。住民をお互いに監視させ、治安維持にあたらせるというものです。当時を知る住民たちに聞くと…
住民
「当時はこの村は平和でした。何かトラブルがあったら村の中で解決していました。毛沢東の時代はみんな貧しかったけど、いい時代でした。貧富の差がなかったからね」
「治安が良くて泥棒もいなかったし、ケンカする人もいなかったよ」
しかし、行き過ぎた相互監視の結果、数千万人が密告などにより犠牲になったとされる「文化大革命」に発展したとの指摘もあります。
今なぜ、「楓橋経験」なのか。そこには中国が目指す国家像が見えると専門家は指摘します。
東京財団政策研究所 柯隆 主席研究員
「平たくいうと、きちんとコントロールされている社会、人々が豊かになるとおのずと自由や民主主義やいろいろ共産党にとって不都合なことを求めてくるわけですが、抑えてコントロールする、100%監視されている社会を目指しているのではないかと」
ただ、特に中国の若い世代は自由や経済発展も味わっています。再び、毛沢東時代のような社会に引き戻せるのか。
東京財団政策研究所 柯隆 主席研究員
「政治体制をより統制する方向へもっていけばいくほど、経済が犠牲にされてしまうので、経済を犠牲にしていいかどうか、もし本当に無理やり実現しようとすると、中国の社会が相当混乱するのではないかと思います」
今年も国内の治安維持に関する予算を増額する方針の中国。監視社会に向けた動きは年々、着実に強まっていきます。
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