政府は、嘉手納基地より南の地域の土地開放をアピールしています。沖縄市と北中城村にまたがるアメリカ軍の住宅地区の一部を緑地広場として今月31日から日米で共同利用を開始すると発表しました。

共同利用の開始が発表されたのは、イオンモール沖縄ライカムの目の前に位置するアメリカ軍キャンプ瑞慶覧の一部で、面積およそ23ヘクタールのロウワー・プラザ住宅地区です。
木原防衛大臣は、3月5日の会見でロウワー・プラザ住宅地区を今月31日から緑地広場として日米で共同利用を開始すると発表しました。
木原防衛大臣
「今般の取り組みは沖縄の基地負担軽減の目に見える成果の一つになるものであり、引き続き沖縄の基地負担軽減にしっかり取り組んでいく考えです」
ロウワー・プラザ住宅地区をめぐっては、キャンプ瑞慶覧内に新たに102戸の住宅を日本側の負担で建設することが返還条件となっています。

しかし住宅の建設工事は完了しておらず、土地の正式な返還は「2024年度又はその後」とされていて、緑地広場はアメリカ軍に提供された区域としての地位を残したまま、共同利用されます。
政府はこれまでも、嘉手納基地より南にあるアメリカ軍施設の返還への取り組みをもって基地負担の軽減だと強調していますが、広場を共同使用するだけの今回も、これを祝う式典を開く予定だということです。
一方でうるま市では地域住民の反対をよそに、訓練場整備やミサイル部隊配備などの自衛隊施設の増強を進めようとしていて、基地負担が増すことになる市民からの反発が高まっているのが現状です。